技術備忘録

環境構築によるトラブルの解決方法、知った技術のまとめなどを自分のためにも書き連ねていきます。あわよくば誰かの参考になればと思います。

MacでUSBブートのKaliLinuxの無線を使えるようにする

今回の内容

今回はMacでKali Linuxのインストールから無線を使えるようにセットアップしていきたいと思います。

今回用いるMacはMacbookPro(Mid 2014)でOSはmacOS Sierraを使います。用意するものは、有線LANケーブル、USBメモリ(8GB)です。今回はUSBブートをかけKali Linuxを動かすので, Mac自体のOSはUSBにさえいれてしまえば大差はないと思います。

1. Kali Linuxをダウンロード、インストールする

2. USBブートをかけ起動をする

3. 無線モジュールを使えるように環境を整える

 

 

 

1. Kali Linuxをダウンロード、インストールする

Kali LinuxDebian系のLinuxでセキュリティ脆弱性診断テストがデフォルトで入っており手軽に行えるので自身のセキュリティチェックを行う際に役に立ちます。Kali Linux自体のダウンロードは以下のサイトからできます。

https://www.kali.org

念の為ダウンロードをした際にハッシュ値を確認してください。正しい値であれば大丈夫ですがもし違っているとウイルスなどが仕込まれている正規のものではないやつかもしれません。

今回はインストール先にUSBを選択します。VMなどでも実行はできますが、無線カードの認識をしてくれず無線の使い方がわからず断念しました。

はじめにUSBをフォーマットします。今回フォーマットにはMac内蔵の「ディスクユーティリティ」を使います。

USBを選択し、消去を押します。方式はMac OS拡張で良いですがLinuxがこの形式に完全に対応しているわけではないので他の形式が無難かもしれません。一応Mac OS拡張でも実行はできます。

次にインストールを行います。以下はMacのターミナルで作業を行います。

 

$ diskutil list 

# どこにUSBが刺されているかを確認。大抵は/dev/disk2

$ diskutil unmountDisk /dev/disk2s1

# アンマウントをする。成功したら以下を行う。

$ sudo dd bs=1024 if=/Users/user/Downloads/kali-linux-2017.1-amd64.iso of=/dev/disk2

# でUSBにインストールを行う。ifのpathは"自分のisoファイルの置いた場所"、ofのpathはUSBのdiskの場所。

 

このコマンドを実行後には特に表示がでないので動いていないように見えますが、時間をおけば完了のメッセージがでます。私の環境では3839.894253sec(=1時間程度)で実行完了しました。

 

2. USBブートをかけ起動をする

無事USBにインストールができたら、USBは刺した状態で"option"を押しながらMacを起動するとOSを選択できる画面がでてくるのでUSBを選択すると起動ができます!最初の状態だとキーボードの配置が違うので気をつけてください。

 

3. 無線モジュールを使えるように環境を整える

ターミナルを開いて

$ lspci | grep Network と入力することで今使っている無線LANカードの情報が表示されます。

私のmac

03:00.0 Network controller: Broadcom Limited BCM4360 802.11ac Wireless Network Adapter (rev 03)

でした。無線カードは認識されてはいるので使うためにドライバーをインストールします。Broadcomの製品のドライバはIEEE802.11 や b43などのモジュールを使いますが今回のBCM4360は"wl"モジュールでしか動かないのでこちらをインストールします。無線はまだ使うことができないので有線LANケーブルをつないで以下の操作を行います。

 

$ apt-get install linux-image-$(uname -r|sed 's,[^-]*-[^-]*-,,') linux-headers-$(uname -r|sed 's,[^-]*-[^-]*-,,') broadcom-sta-dkms

# 始めにheadersのインストールを行います。上記ではunameから得られたOSのリリース番号のheaderのインストールを行います。

$ modprobe -r b44 b43 b43legacy ssb brcmsmac bcma

# b43モジュールなどが今回使うwlに影響を与える可能性があるため取り除いておきます。

$ sudo apt-get install wl

# でwlモジュールのインストールを行う。

$ modprobe wl

$ iwconfig

# でwlan0があれば無事無線が使えるようになっています。

 

まとめ

Macを用いてKali Linuxの無線環境を構築しようとするとVMでは無線カードが認識されることがなかったのでUSBブートをかけます。その後、無線カードに対応したアダプタをダウンロードして使えるようになります。ですが一度シャットダウンをしてしまうと環境設定等が消えてしまいます。これはMacOS拡張でフォーマットしたから?と思いましたがext4でフォーマットをかけていないのでどうなるかはわかりません。